神奈川県は横須賀市の久里浜で田宮流居合術を稽古しています神明会です。今年の夏の道場は蒸し暑く、そんな中でも参加者も多く集まり頑張っています。稽古は水分を多めに取って、休憩しながら行って来ましょう。
現在神明会の会員さんは、今年入会された方が多く、現役社会人世代が中心ですので、なかなかスケジュールや時間も取れず、稽古時間も短いので術技の稽古が中心になっています。
新規の会員さんに少し豆知識を書こうと思います。有段者にはお馴染みの理合ですが、
昇段試験を受けていく中で、居合術理の試験問題に出てくる定番の理合に、「序破急」が有ります。
序破急は、居合術の命と言われる、抜きながら斬る初太刀の、抜刀に関しての理合を身につける上で語られるもので、初心者が抜刀の呼吸を身につける上で結構重要なのでは無いかと思います。
田宮流伝書「口伝」の「鞘の抜き心」の記載の現代語解説を抜粋して掲載します。
以下解説文:
抜き付けは、早くなく、遅くなく、初め込めたる気を静かに臍下に入れながら抜くのである。
が、鞘に音を立て無いように、初めは静かに、中は早く、終わりは急に抜き出す。
これを序、破、急に抜くと言う。切っ先をはなるるは、急中の急である。
これは気から業に移る自然の理の教えで、業が充分にできて、心と手が相応ずるまでまでに至らなければならない。
抜き出す刀身は、棟を擦る気持ちで抜く事である。このようにすれば、修練の度重なるにしたがい鞘の真ん中より程よく抜く事が出来る。これ手練れの一術である。
と有ります。これは田宮流伝書の口伝に記載があるのもで、勿論他流においては、序破急では無く、
一拍子で抜く流派も有ります。だだ田宮流においては、業が習熟していけば、一拍子で抜いたとしても、その短い一瞬の中にも序破急が有り、その刀身は等速では無く加速度運動で抜き出される物だとも・・・
私の先輩も高段の試験の時にゆっくり序破急で抜いた方が、もっと早く抜きなさい高段者は、その一瞬の拍子の中に序破急をあわわしなさいと、注意を受けた事を思い出し、その一瞬の中の序破急とは、相当稽古をしてから理解出来る領域なのだと思いました。そこまで抜けば、やっと理にかなった序破急と言う抜刀が自然に身に付いて来るのだなあと。
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