
(今回は田宮流居合術神明会S会長が、山形県村山市の居合流祖を祀る林崎神社での演武会へ参加された寄稿文になります)
9月6日朝 台風15号一過の秋晴れの日、清々しい空気が流れ セミの声を聞きながらバス停へと歩を進める。此の台風 静岡県内では大きな爪痕を残したらしい。お見舞いを申し上げたい。例年通りの進行ならば、道祖修行の地を巡る「道祖の故郷をめぐる旅」が計画されていたが、今年はその地、 尾花沢細野地区にクマの出没が数多く目撃されているとの事で、中止となった。
そんな事で、例年の2時間後の12時発「つばさ137号」に乗車し一路山形県村山市に向かう。前の座席に宗家と2度目の参加のTさん、私と相席したのは柏から初参加のIさん、話題豊富で饒舌の方で、3時間の間一睡もさせてもらえず、笑いが絶えることなく目的地まで運んでくれた。風呂上がりの赤いほっぺの参加者が三々五々前夜祭会場に集まり、形通りの来賓の挨拶の後、宴会へと流れた。

宗家は上席の主催者席に並ぶ、私たち3名は伯耆流の2人の先生と1卓に並ぶ、山形の銘酒「すっきり辛口の14代」と「やや甘口の朝山」で米沢牛「しゃぶしゃぶ」で流し込む。
それぞれ名刺交換や流儀自慢で話はつきない。2日目快晴、最上川河畔の宿を後に熊野・居合両神社に向う、神殿に昇殿し正式参拝の後 演武に移る。

11会派40名余りが日頃鍛えた技を自分の型とし演武していた。
田宮流は、宗家を先頭に壇に上がり、神前の拝礼後先鋒は宗家とTさんが木刀で組太刀打ちを披露する、次鋒にIさんが基本技から5本、中堅はTさんで、四番目に私が座居合を立技に変え「稲妻」「胸の刀」立技「追太刀」奥居合から「刀合切」「水鏡」「松風」「夜嵐」の7本を抜いた。
大将の宗家は基本技から7本を抜いた。コロナ前よりギャラリーは減少傾向だが盛り上がる拍手で熱心さが伝わってくる。6年ぶりの演武では、士気の高揚と心地よい緊張の時を過ごし、よい経験をさせていただいた。演武の後 主催者のM会長が私に近付き、私にとって忘れられない意義あるお言葉を頂いた。(お世辞としても嬉しい言葉でした。)久しぶりの山形林崎の旅は人情も風景も変わらず私を迎え そして見送ってくれた。



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